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「いい加減起きろよ。朝日」
呆れたような高星の声に俺は重い瞼を開けた。
しまった。せっかくの同窓会なのに心地よい振動につい居眠りをしてしまったようだ。
昨日の疲れがたたっているな。
「もうすぐ着くようですよ」
大自の声に車窓に目を向けると、傾きかけたオレンジ色の光が木々の影を黒々と浮かび上がらせていた。
「ずいぶんと山奥に来たもんだね」
俺が思わずそう呟くと、隣に座る高星は「ふふっ」と小さく笑ってみせた。
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