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いったい僕はどうしてしまったのか、途方に暮れた僕はその場に立ちつくしてしまった。
(どうしようか…)
僕はお腹がすいていたので、さっきの公園に戻って公園の隅にあるベンチに腰掛けた。
そして袋からお弁当を出して食べ始めた。
食べながら僕は、公園の真ん中にある白い扉を見つめていた。
そういえば、さっき僕が扉をくぐった後、滑り台で遊んでいた子供がいなくなっていたことが気になった。
辺りはすっかり暗くなっていた。
お弁当を食べ終わって、ペットボトルのお茶を飲んでいると、だれもいないのに急に白いドアが開いて、そこから女性が出てきた。
僕は驚いてそのドアから出てきた女性をまじまじと見てしまった。
その女性は、何食わぬ顔で公園の出口に向かって歩き始めたので、思わず僕はその女性に声をかけた。
「あの…、すみません!」
その女性は立ち止まって僕の方を振り向いた。
「こんにちは!」
その女性が笑顔で僕に挨拶してくれたので僕も慌てて、
「こんにちは!」
と挨拶を返した。
「あの、すみません!
今、そのドアから出てきましたよね!」
僕は自分がその女性に何を聞きたいのかわからないまま、思いついたことをとっさに言葉に出した。
その女性から僕の今の状況が、何かわかるのではないかという思いが強かった。
「はい、そうですけれど、何か?」
その女性の言葉に僕が、
「ドアから入った所を見ていません。
急にそのドアから出てこられたので…」
と話すと、その女性は笑顔になって、
「あぁ、このドアのことをご存じないのですね!」
と優しく語りかけてきた。
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