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そうして続けた謝罪は、これまでの葉月の言を鑑みればただの自己満足にしかならないだろうが、それでも口にしておきたかった。けじめのようなものだ。
葉月はエリシュカの言葉にぱちりと目を瞬いて、それから破顔した。
「エリシュカさんは、レーナクロードさんと似てますね」
「……?」
「名前、ちゃんと呼ぼうとしてくれたので。幼馴染だからですかね? レーナクロードさんと似たような思考をしてて、誠実なひとなんだなって思いました」
「そんな、いいものではないわ」
「まぁ、わたしはそう思ったってことで。……エリシュカさんが謝る必要はないですよ。だって聞いてたら、レーナクロードさんがエリシュカさんの考えとか知らずに勝手に行動起こした結果なんでしょう? だったらエリシュカさんもある意味巻き込まれた側じゃないですか。だから謝らないでください」
そう言って笑う葉月に、エリシュカは何とも言い知れぬ気持になる。
「貴方は……とても、お人好しなのね。何の責も縁もゆかりもない、この異世界で殺されそうになったに等しいのに、そんなことが言えるなんて」
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