【余話/1話後】別れの夜、あるいは感傷に浸る彼の話

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 それをレーナクロードが知らされたのは、その『託宣』が下りてからゆうに一月は経った頃のことだった。『託宣』の内容を噛み砕いて説明をする母と、それを見守る父、そしてエリシュカとその両親の姿に、知らずにいたのは自分だけだと知った瞬間のことは、うまく説明できる気がしない。  何だって話せると、共有しているのだと思っていたエリシュカが、それをちらりとも自分に話さなかったこと、そうしてその話の内容が自分の死を意味するも同然だというのに、ただただ静かに、凪いだ瞳でいたこと、……思わず視線を向けた自分を、避けるように目を伏せたこと。  それらすべてが、裏切りのように思えた。信じていたのに、エリシュカ自身も、これからの未来も信じていたのに、何もかもがその瞬間に途絶されたように感じた。  ――否、実際にそうだったのだろう。レーナクロードが認められなかっただけで、それはもう確定に等しかった。
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