いっぱい泣いたな

いままで流してきた涙を集めたら、学校のプールがいっぱいになるかなあ、家のお風呂くらいにはなるのかなあ、とイチゴマイマイマイが言ったから、マグカップくらいでいいんじゃない、と、わたしは言ってあげた

ライカ様が、近所のねこに集合を命じてみたところ、まったく集まらなくって、こんなんじゃあ野球なんてできっこないわね、とライカ様は思ったりもしたみたいなのだけど、そもそも野球なんて、はなっからやるつもりはなかったわけだから、そもそも野球なんて、はなっからやるつもりなんてなかったじゃない、だから、そんなこと思う必要ないんじゃない、と、わたしは言ってあげた

キミの涙をひろい集めてクリームソーダをつくってあげるよ、とかキザったらしいことを吐くトッポイ男が、最近、フタホシヤマトトトテントオのまわりをうろうろする、その男は、キザったらしくてトッポイわりに、フタホシヤマトトトテントオの気持ちには鈍感で、そもそも、涙をクリームソーダに、だなんて、センスのかけらもありゃしない、クリームソーダにするんなら、涙じゃなくって、夜空に光るお星さまにしてほしいもんよねえ、まったく、と、フタホシヤマトトトテントオは言っていた、でも、つくりだせるのが、せいぜい、毒りんごくらいのわたしからしたら、クリームソーダをつくりだせちゃうだなんて、すごいことだよねえ、と、感じたのは正直なところ、だから、そのとおりのことを、フタホシヤマトトトテントオに言ってみた

どんぐりとは、どんなくりだ？　と、ウチのねこがジョーダンでも言ってるのかと思ったら、至極、真面目な表情で言ってきた、えー、どんぐりは、どんぐりですよう、と返答すると、ほう、と、それだけ、今度、どんぐりひろいに行ってみますか？　言ってみるのだけど、もう、すでに、ねこの関心は、ほかへとうつっていた