きのこ狩り

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 ギルドにて──。 「はい……全て依頼通りですね。あ、ありがとうございます買い取らせていただきます」  挙動不審になっているのは例の受付嬢──リーエだ。 あの件以来顔を合わせるといつもこの調子で、愛嬌のある顔もガチガチに強張っている。綺麗に手入れされたピンクのツインテールも逆立っていて……まるで威嚇するリスかハムスターみたいだ。 「こちら報酬になりますですありがとうございましたあッッッ!!」  リーエは、「運動部かよ」と思わずツッコミを入れたくなるくらい声を張り上げた。その目には涙が溜まり、顔は真っ青に青ざめていた。  ──今ではちょおっと、やり過ぎちゃったかなぁ……なんて、反省している。……そんなに怖かったかな? 「そろそろ慣れてくれないかなー……」  ぼやく私の隣でソウタはくつくつと笑っていた。 ……まったく、私はいい仕事をしたらしい。
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