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出逢い
「あれ?」
目を開けて1番に見えたのは満天の星空だった。天の川なんて目じゃない。天体観測してもおいそれと見ることのできる景色じゃない。そんな絶景に見入っていた数分後──……。
「ここどこ!?」
私はようやく、自分が見知らぬ荒野に寝そべっていたことに気が付いたのだった。
え、ちょ、やばくない? マジで、どこここ? なんでこんなところで寝てるの私!? 夢!? もしかして夢か!! 夢ならお願いします覚めてください!
そう勢いよく起き上がって、私は固まった。──視線の先にあるはずのものが、なかったから。
「足がない!! 足! なんかピョロピョローってなってる! なにこれ!? 私の足はどこへ!?」
存在するはずの2本の足は、まるで裂かれたビニール袋の切れ端のようなものに変わっていた。風に吹かれれば飛んでいきそうで、なんとも心許ない。というか──……。私は気付いてしまったもう1つの事実に言葉を失った。
「体、透けてない──?」って。
そこから導き出される最悪の可能性──を「いや待て待て待て」と一度否定する。するけれども、何度考え直しても一度出た可能性はずっと頭に引っかかって取れない。
「……もしかして私、幽霊ってやつ?」
夜が明けると、私はその最悪の可能性が現実であることを完全に理解した。
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