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それからの私のテンションは爆上がりだった。彼らの帰路、我を忘れてこれでもかというほど、たくさん話しかけた。
「ねえねえねえ君、日本人? 私のこと見えてるし聞こえてるんだよね!?」
「……」
「いやー、よかった。起きたらこんなでさ。実は心細かったのなんのって!」
「……っ」
「でも君がいてくれて本当に心から安心したよー! 見つけてくれてありがとう!」
次の一言が不幸の引き金だった。
「……ぅッとおしい!!」
少年がキレた……。
「あんだとこの!!」
こちらもわかりやすくブチ切れているパーティーの1人、モヒカンヘアーの男に、少年はたじろいだ。
「あ、いや今のは違くてその──!」
「いい度胸してんじゃねーか、おい」
憤慨した大人達によって身ぐるみを剥がされる──なんてことはないものの、少年はぽつんと野道の真ん中に放り出された。
パーティーのリーダーは最後に「お前がそういうつもりなら今後一切干渉はしねえ。好きにしろ」と、ため息混じりに残していった。
無慈悲にも少年は置き去りにされた。
「ちょ、待って!」
もしかしなくても原因は私である。
「あ、あの……ごめんね?」
少年は途方に暮れていた。
「……あの人達しかいなかったのに」
「え?」
「そりゃ手間賃とか言っていっぱいお金は取られたし荷物持ちだってさせられたけど……それでもこんな子供に関わってくれる人いなかったのに! どうしてくれるんだよ!」
よくよく見れば、歳はまだ小学生低学年くらいだろうか。しかも典型的なもやしっ子。目元が隠れそうな黒髪と色白なのも手伝って、どこか頼りない印象を受ける。とてもじゃないが冒険者に向いているとは思えない。この子が言うように、大抵の大人にはまともに相手にされないだろう。
少年が泣きそうな声で呟く。
「今日の宿代だって払えない……最悪だ」
どうやら私が思った以上にことは深刻らしい。
猛省した。今すぐにでも心の声が口から出そうだった。
やばい……これやっちゃったやつ。
これはやらかした。え、どうしよう。
少年泣いちゃってるんだけど……いや、そりゃ帰る場所も仕事もなくなったら泣くわ泣くしかないわ。私も泣くもん。もちろん失業手当とかは……でないよね、うん。
「えっと、あの……」
口を開いてみたがなんと言葉をかけたらいいのかわからない。どの面下げてと自分でも思う。なんだか私も泣きたくなってきた。
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