321人が本棚に入れています
本棚に追加
シャワーを浴びてリビングへ戻ると、目を覚ましたらしい凜も起きてきていて、竜之介くんと楽しそうに会話をしていた。
「あー! ママ、おはよ!」
「おはよう、凜」
「亜子さん、どうぞ」
「ありがとう」
既に凜の朝食は用意されていて、その横の席に私の分のトーストの乗ったお皿とコーヒーの入ったカップを置いてくれた。
私が席に着くのとほぼ同時に竜之介くんが自分の分のコーヒーカップを持って向かいの席に着く。
「亜子さん、今さっき凜と話してたんだけど、今日は天気も良いし、隣の県にある子供向けの遊園地にでも行かない?」
「遊園地?」
「凜に聞いたら、行った事ないんだって?」
「あ、うん、そうなの。電車で行くのも大変だから、ついつい後回しにしてて、結局行けてなくて……」
「それなら尚更、行こうよ。車なら気兼ねなく移動も出来るでしょ?」
「でも、それじゃあ竜之介くんに負担がかかっちゃうし」
「いいって。俺としては、凜や亜子さんが喜ぶ顔が見たいし、それにさ、俺ら付き合ってる訳だから、これはデートの誘いのつもりでもあるんだけど?」
“デートの誘い”だなんて言われてしまっては、断る理由なんて無い。
「ゆーえんち、いける?」
渋っていた私に、遠慮がちに問い掛けてくる凜。
「……うん、行けるよ。良かったね、凜」
「わーい!」
遊園地が初めての凜は行けると分かると満面の笑みで喜びを表していた。
「竜之介くん、ありがとう。それと、デートのお誘い、嬉しいです」
「喜んで貰えて俺も嬉しいよ。それじゃあさっさと準備済ませて、遅くても九時半くらいには出発しようか」
「そうだね」
こうして、今日の休日は三人で遊園地デートをする事に決まったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!