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 色々なことが少し落ち着いてひと月ほどが経ち、私たちはこの土日を利用して海水浴に来ている。 「ヤバいな」 「なにがですか」 「華の水着がエロすぎて脱がせたい」 「真面目に聞こうとした私がバカでした」  ホルターネックに指を掛ける響騎さんの手をパシッと払うと、大胆すぎる水着に気後れして羽織ったラッシュガードのジッパーを上げる。  このところバタバタしていて、週末もまったりと家で過ごすことが多かっただけに、真夏の日差しを浴びて健康的に外で過ごすのもそう悪くない。 「それにしても、やっぱり夏休みだから人が多いですね」  賑わう浜辺を見渡して、パラソルを用意してきて正解だったと響騎さんを見ると、クーラーボックスから取り出したペットボトルの水を一気に飲み、喉仏が扇情的に上下する。 「夏休みなんて、どこもこんなもんだろ」 「そうですよね。夏休みって言えば、昔、洋嗣さんがバーベキュー行こうって言ってくれたことがありましたよね?」 「そういえばそんなこともあったな」  響騎さんはフッと表情を緩めると、気にするなと言う代わりに私の頭を撫でて肩を抱き寄せる。  私の勘違いで響騎さんと別れることになって、その話はなかったことになってしまったけれど、今度誘ってみるのもいいかも知れない。 「これからは、色んなところに出掛けましょうね」 「そうだな」  少しだけセンチメンタルな気分になってしまったけれど、これからは一緒に居られるんだから前向きに考えないと。そう思って響騎さんにしっかりと抱きつく。 「この後どうする? もう一回くらい海に入るか」 「花火の時間がありますもんね」
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