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 これから先もきっと目まぐるしい日々が待っているのだろうけど、響騎さんのそばに居られるのなら、どんなことでも乗り越えられる気がしている。  十年前に応えられなかった分、今をがむしゃらに乗り越えるしかないんだから。 「響騎さん、そろそろ家に着きますよ」 「泊まっていくだろ?」 「いえ。私は宿題があるので帰ります」 「なら俺がまた華んちに泊まろうかな」 「うちは狭いからやめた方が良いですって」  一緒に居たいと思ってくれるのはありがたいけれど、再会してからずっと一緒に過ごしてるので、気の休まる時間が欲しい。 「なら週末は必ず一緒に過ごすぞ」 「はい。お願いします」 「じゃあ今日は大人しく帰るよ」  響騎さんはそう言うと、タクシーの運転手に私を先に送るように伝え直している。  これから始まる日々がどんなものになるか想像がつかないけれど、十年も諦めずにいてくれた響騎さんに感謝する。 (響騎さんのためにも、秘書の仕事、精一杯頑張ろう)  そんな決意を新たにして、私はその日ようやく帰路に着いた。
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