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「せっかく浴衣も持ってきたからな」
「じゃあ、そろそろ片付けて早めに撤収しましょうか」
後片付けをして浜辺を離れると、水着の上から服を着てから車に乗り込みホテルに戻った。
部屋に戻ると、時間短縮のためにと一緒にシャワーを浴びて、戯れるだけのはずが響騎さんに翻弄されてイタズラされてしまう。
「もう! ダメって言ってるのに」
なんの拘りなのか、水着を脱がせてはもらえず、中途半端にはだけた状態でたっぷりと体の隅々まで可愛がられてしまった。
「こんなエロい水着で誘う華が悪い」
「やっ、あぁあん……ダメッ、響騎さん」
「こんなにしてるクセに。ダメじゃないだろ」
浴衣の着付けもあるし、花火まで時間がないのに響騎さんが手加減してくれる様子はなく、結局バスルームで最後まで相手をさせられてしまった。
「響騎さんは、もっと我慢を覚えてくださいッ」
お風呂から上がって髪を乾かすと、大急ぎで浴衣に着替える準備をし始める。
「華を前に我慢とか無理だろ」
「だからそういうところですってば」
全く聞く耳を持たない響騎さんに、諦めて嘆息すると、スマホを操作してブックマークしておいたページを開く。
「とりあえずもう時間がないんで、すぐに浴衣着ますよ」
動画を見ながら響騎さんに浴衣を着せ、帯を整えると、微調整は本人に任せて私も自分の浴衣を着付ける。
「どうかな?」
「色気が垂れ流しになってます」
「なんだよそれ」
可笑しそうに笑うと、響騎さんは私の額を指で弾く。
「割と本気のデコピンやめてください」
思ったより痛みが残る額をさすると、改めて浴衣姿の響騎さんを見てドキドキしてしまう。
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