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「いいよいいよ。街位と2人でパパッと終わったし。それよりお腹すいたから早くご飯いこー」
「北海さんに賛成ー!俺飲みたい気分ー!」
「お?いいねぇ、いっちゃう?」
「もち」
柿沼と谷口が街位、北海と呼ばれた男性2人と談笑する中、山田はどうしようと少し困っていた。柿沼のようにノリで話に入れるスキルもなければ、谷口のように気にせず構えていることもできない。そんな様子の山田に気づいたのは北海と呼ばれていた人で、彼は優しい笑みを浮かべると「初めまして」と挨拶をしてきた。
「君が柿沼や谷ちゃんのいってた山?」
「は、はい!山田と申します!その……」
「そんな固くならなくていいよー。とって食いやしないからさ。ね、街位」
「ん?ああ、そうだな。まあ、実力がなきゃいくらうちに入ったってメンバーにはなれねーけど」
「そりゃそうでしょ。まあ、とりあえずご飯食べに行こ」
「だな。ほらお前らも行くぞー」
「あ、はい!」
街位の声に山田が勢いよく返事する。それがおかしかったのか、北海は笑った。そして5人は街位を先頭に夜の街へ歩き出すのだった。
向かったのは大衆居酒屋だった。店内はまだ賑わっており、店員の元気のいい挨拶に導かれて個室の席へと案内される。
席の並びが、街位と北海。向かい側に柿沼と谷口となり、山田はどこに座れば良いのか悩む。すると見越したかのように柿沼が「山はここー!」と自身とと谷口の間を指差して、そこに山田を座らせた。
「飲み物どうする?」
「じゃあウーロン茶で」
「なんだよ山!飲まねーの?」
「いや、ちょっと……元々弱いし。緊張してるからすぐに酔っちゃいそうだし」
「そうなんだ?意外だねー。飲めると思ってたよ」
山田の言葉に北海が反応する。そんな2人のやり取りを見ながら街位はメニューを開きつつ口を開いた。
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