ただいまといえる世界

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「山はごちゃごちゃ考えすぎだけど、こうって決めたら曲げねぇからな」 「へぇ、芯が強いんだねー。あ、俺も山って呼んでいい?」  北海がそう返すと山田は頷く。いつのまにか3人の飲むペースが早く、気づけば柿沼と谷口と北海に絡まれる山田。そんな山田を街位は静かに見守っていた。 「いやーーー!楽しい!な、山もそろそろ緊張とけたっしょ?飲もうぜ!」 「柿沼、それアルハラじゃねぇ?」 「え!そーなん?ただ飲みたかっただけなんだけど」 「まあまあ、山が飲みたいなら頼めばいいしー。で、何飲む?」 「北海さん、言ってる事とやってる事矛盾じゃん!」  「あははは!」と柿沼が大笑いする中、山田もなんとなく気分が高揚してきた。確かに一杯だけなら……と、別に弱いだけで飲めないわけではないしと。 「僕も飲みます」  そう宣言すれば、柿沼と谷口は大笑いする。北海もそれに笑いながら酒を飲んでいた。  山田はといえば、出てきた一杯を半分くらい飲んだところで顔を真っ赤にし、頭がゆらゆらと動き始めた。 「山ー?だいじょぶか?」 「だいじょうぶれす」 「舌回ってねーぞ。大丈夫かよ」  心配する谷口をよそに山田はテーブルに頬をつけて、視線を少し上げる。そこには優しく微笑む北海の顔があった。 「……北海さん……」 「ん?」 「…………僕……」 「……うん」  何か言いかけるが、そのまま寝息を立て始める山田に4人は顔を見合わせる。そして、その寝顔を見て4人はまた笑った。 *** 「んっ……」  山田は寝苦しさからそっと目を開けた。視界に入った景色がいつもの自分の部屋とは違う。 「……あれ……?ここどこ……」
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