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ロボットに権利を認めさせるには、それ相応の根拠が必要だ。カイトには一つ考えがあった。ただ、カイト一人で出来ることではない。知り合いのロボット研究者に連絡を取ると、「非常に面白い」ということで、お願いを聞き入れてくれた。カイトにとっては面白いの一言で片付ける訳にはいかない事情があるのだが。
カイト達がやって来たのはとある研究所だった。どうやら研究所に入るには顔認証が必要らしい。マイがシステムの前に立つが反応がない。マイの代わりにカイトがシステムの前に立つが反応がない。どうやら故障しているらしい。しばらく待つと、博士が内側から入れてくれた。
「首尾はどうですか?」
「君の望むデータが得られそうだ」と博士。
研究所の奥に進むと、二つの仮設ボックスが見えてきた。ボックスの中心には小さな穴が開いている。
今回の実験はこうだ。二つのボックスには、それぞれ人間とロボットが入っている。被験者が交互に会話し、どちらが人間か答えてもらう。現代のロボットは高度な会話も出来る。例えば「自我について」など。先ほどの博士の言葉からするに、ロボットを人間だと思った人が多いに違いない。
「それで、裁判の日はいつだい?」
「二週間後です」
「幸運を祈るよ」博士はそういうと、実験を進めるべく現場に戻っていった。
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