ぼくを変えた一冊

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ぼくを変えた一冊

 ぼくを変えた一冊は、美術の教科書です。  これに載っていたミロのビーナスを初めて見た時、心臓の動きが早くなりました。  半裸の女性の像とはいえ、なぜこんなにドキドキするのだろう、と不思議に思いました。  そして、不覚にもあそこが硬くなってしまいました。  以降、ミロのビーナスみたいなものを見るたびにドキドキするようになりました。  それで、ある日、気が付いたのです。  ぼくは、くびれが好きなのだと。  大人の女性のくびれた腰はもちろんのこと、他の似たような形のものを見てもドキドキします。  たとえば、つぼとか瓶の首のあたりとか、アシナガバチやスズメバチの胸と腹の間の部分とか。  友達は胸が好きとか、おしりが好きとか言いますけど、ぼくは断然、くびれが好きです。抱きついてほおずりしたいくらいです。  そんなわけで、美術の教科書を読んだことが、ぼくをくびれに目覚めさせました。  これこそが、ぼくを変えた一冊です。
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