眠りから覚めたら

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『拓真は闘病中によく柚乃の写真を見て励まされていたよ。』とスマホには小さい頃の寝顔の私。 『早く元気になって柚乃の王子様になるんだ。』って最期まで言ってた。 『拓真から手紙を預かっているんだ。いつ渡そうかと思っていたけど…』 手紙を開くと 『ゆのちゃんの王子様になりたかった。ずっと大好きだよ。』と書かれていた。 『拓真は柚乃ちゃんに会いたくて最期まで本当に頑張ったんだよ。僕は柚乃ちゃんに感謝していて、いつか伝えたいと思っていたんだけど拓真が亡くなったことを知って柚乃が酷く落ち込んだ時期があるからと(とおる)くんに止められていたんだ。』 透は私の兄だ。当時兄から拓真くんの話を聞いたとき現実を受け入れることが出来なかった。 今まで拓真くんのことを思い出せなくてごめんなさいと創一さんと涙が枯れるまで泣いた。
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