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行く着く先……
「終わった……」
賀集丸は囨頭憑雲から巻物を奪うとさらにも増した黒い光が賀集丸を包む。そして胸に『殺生』の文字が刻まれた。
「これで十の悪を集めたぞ……俺が王だ……残念だったな……囨頭憑雲よ……」
まっぷたつに切り裂かれた囨頭憑雲の前で吠える賀集丸。
「さぁ……何が起こる……この集めた悪で……」
胸を高ぶらせ賀集丸は両手を広げる。
「さぁ……」
「さぁ……」
しかし、何も起こらない。
「なぜだ……なぜ何も起こらない……」
顔を歪める賀集丸。その時……倒したはずの囨頭憑雲の口が動き始める。まっぷたつにされ生きているはずがない。しかしなんとも奇妙な具合に割れた口から言葉が聞こえる。その言葉は不敵にも恍惚に満ちているように感じた賀集丸。
「賀集丸よ……十だ……真の目的は果たされた……」
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