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撃破
賀集丸は次から次へと鬼を討伐していく。
「弱い弱い弱い。鬼とはこんなに弱いものなのか?」
賀集丸の身体にはさらに複数の刻印が刻まれた。これまで偸盗を足掛かりに、各国を回り各鬼、淫靡な世界で惑わす『邪淫』、嘘で惑わす『妄語』、煌びやかに真実をねじ曲げ飾り立て襲いかかる『綺語』と倒した。
「恐ろしい男よの。この鬼たちでは相手にならぬか」
「弱すぎる。この鬼たちは均衡しておるのだろう? 他の鬼もたかが知れてる」
奪った巻物は賀州丸の左肩に邪な行為を表す『邪淫』、左腿には不実な言葉を表す『妄語』、右脛には虚飾を表す『綺語』の文字を刻まれた。
「しかし、これで悪の王になれるのであれば労せず世界は俺のものだな。悪で賑わう世界が……悪に染まる快楽の世界ぞっ」
先ほど倒した綺語を足蹴に賀州丸は高笑いした。
「では次の国……次の鬼は両舌だな」
囨頭憑雲は賀州丸を両舌の元へと導いた。
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