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野望
賀集丸が鬼ではないかと思うほどに突き進む。悪口は賀州丸の左頬になんとか傷をつける程度、すべてを貪り喰らう慳貪にはその醜い口で噛みつかれ腕に牙がめり込み右手を持っていかれそうになったが寸での所で慳貪の喉元に刃を突き刺し仕留めた。鬼を倒していく度に傷は増えたがそれでも賀州丸は余裕をみせた。
「この程度の傷はなんの誇りにもならん」
そして奪い取った巻物が光り輝き賀州丸の身体に刻印されていく。左腕に『悪口』、左脛に『慳貪』が入る。
「さぁ、残りは三匹……しかし、さすがの賀集丸も無傷というわけにはいかなくなったの……残り三匹は今までの鬼よりも強いと聞くが……さてどうだろうか?」
囨頭憑雲は厭らしい笑みを浮かべる。
「ふっ……何を企んでいるかは分からぬがお主では到底届かぬ野望ぞ」
賀集丸は不敵に笑い返す。
「わたしはそなたが王になれるか見届けたいだけだ。巻物を纏めあげ悪に染まるお前をな……」
囨頭憑雲は残りの鬼の場所を案内した。
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