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ハロウィンの夜
僕は約束通り、ミランダの家へ向かっていました。
街は様々なモンスターたちに仮装した人々で賑わっています。
僕とは縁のない世界です。
一部歩行者天国のようになっていて、交通規制がかかっていましたが、僕は自転車だったので、人混みの間を縫って車道へ出ます。
ミランダが待ってると思うと気持ちが高揚して胸の高鳴りが抑えきれませんでした。
それにともなってペダルを漕ぐリズムも早まります。
右の方向から急ブレーキの音が、、
衝突音とともに僕の身体が宙を舞っています。
薄れゆく意識の中、宙に舞いながら空を仰ぐ、、、
それはとてもゆっくりでスローモーションで、まるで時の流れがとまっているかのようでした。
さっそうと目の前に現れたのは
漆黒の羽をまとい、ルビーのような緋色の瞳をした彼女でした。
タケル!
僕の名前を呼んだ気がしました。
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