ZERO

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「はい。少数とはいえ遣り口が卑劣らしく、実際いくつか潰されてます」 「えー…、本当なんだ……」 「おかげで学園内もパッと見は平和ですが、裏では荒れまくりみたいですよ」 「うわぁ…」 苦々しい顔をした中村さんに、つい強張った顔を返してしまう。 そんな野蛮な人たちと来月から同じ学校だなんて先行き不安だ。 怖い……とか、そんなことも言ってられないけど。 「普段は会員制の裏カジノやクラブに集まってるみたいですね」 「会員制かー。いかにもって感じだ」 「それに関係しているのかメンバーは皆1人1人マークや数字、絵柄の違うトランプをモチーフにした会員証を持っていました」 「トランプ?」 「えぇ。チーム自体も“ダイヤ、クラブ、ハート、スペード”と4つのチームに別れていて、トップは“ジョーカー”と呼ばれているそうです」 「ふーん……」 「色々探って見ましたが、現状分かるのはそこまでです。代表者の素性を含め内情は全てひた隠しにされてて何も掴めませんでした」 残念そうにそう言って中村さんは私への報告を終えた。 隠してる……。やっぱりそうか。簡単には辿りつかせてくれないよね。
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