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悪趣味な……。
見るのも不快に感じ、溜め息交じりに悪しきカードをバラバラに破り捨てる。
千切れたカードは風に乗ってヒラヒラと舞い、濃紺色の水の中へと飲み込まれていった。
届く度に思うけど、あんなものを送り付けてくる理由はいったい何?
毎度、恨んでいるとしか思えない言葉ばかり。
人に恨まれるようなことをした覚えもないし、送ってくるような人物に心当たりもない。
ほんと分かんないよ。何も。
カードに書かれた数字の意味も、送り主も、送ろうと思った動機さえ、何1つ……。
ただ、メッセージカードとお兄ちゃんは何か関係しているのかも知れないとは思う。
亡くなった翌月から届くようになったというのもあるが、なんせ初めて届けられた言葉が“彼の妹に生まれてきたのが運の尽きです。現実を受け止めて前に進みましょう”だったから。
ウジウジ泣いてばかりいた私をキツめの言葉で励まそうとした、と捉えようと思えば捉えられなくもない。
だけど、お兄ちゃんの死を受け止め切れず家に閉じこもっていた私には、その言葉が酷く残酷に、そして悪意のある言葉に感じた。
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