ZERO

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一見、少女趣味に見えなくもないその星型のピアスはお兄ちゃん曰く仲間とお揃いのもの、だったらしい。 『お兄ちゃんの先輩が付けるって決めたんだっけ?どうして星型のピアスなの?』 『あぁ、勝ち星って意味なんだってさ』 『勝ち星…?』 『1番強ぇやつが3つ付けれんの。2番目が2つ。それより下は1つ。裏に名前も彫ってある』 『ふーん。無くしたら大変だね』 『そうだな。無くしたり奪われたらチームを抜けなきゃなんねぇし。特に三ツ星ってのは特別だからな。常に誰かに狙われてる』 『狙われてるって……お兄ちゃんのも?』 『そうだ。でも、絶対奪わせやしねぇよ。こいつは何があったって守り切る』 なんてピアスを触りながら楽しそうに言っていた。 お風呂に入る時も寝る時も付けっぱなしにするほど、お兄ちゃんはあのピアスを大事にしていた。 寝ている時に触っても飛び起きるくらいに。本当に肌身離さず大事に付けていた。 無くなったのがまだ1つだけなら、何かの拍子に外れたと思えなくもない。 でも、3つ全て無くなっていたのはおかしい。 それにお兄ちゃんはあの日、家を出て行く時に玄関先で私の頭をポンッと叩きながら言ったんだ。
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