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22歳
男女の肉欲や性愛について学ぶ機会を与えられず、純粋無垢に育てられた男と女の逸話を聞いたことがある。
ふたりは出会い恋に落ちた。ふたりは互いの内側で高まる欲望に対処するすべを知らなかった。身を焦がすような、恐ろしい、強烈な衝動。
愛おしいひとを慈しみたい、けれど一方でどうしようもなく傷つけたい、どうやって処理すればいいのか見当もつかない、精神を蝕む名前のない毒。それを抑えきれなくなったとき。彼は、彼女を、殺すしかなかった。
事実かフィクションかも知らないし、話の内容自体かなりうろ覚えだけれど。
私たちは、その衝動が性愛であると知ることができてよかった。
そうでなければ私はとうに、律に殺されていただろうから。
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