きゅう

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「はぁ、、、最っっっっ高だった…!やっぱり〇〇監督はグロの演出が芸術的で美しいのはもちろんなんだけど突如現れた殺人鬼から逃げ惑う人々の心理描写や駆け引きがリアルで緊迫感があって本当に良かった特にあのシーンの」 映画館を出た後、芽実ちゃんは感嘆の声を上げると、それがスイッチだとでも言うように、今回見た映画について饒舌に語り始めた。 青葉くんはそれに慣れた様子で「うんうん」「へー」「そうなんだー」と適当に相槌を打ったている。 芽実ちゃんって、ああいう映画好きなんだ…。なんていうか、普段のオドオドしてる姿からは想像もできなかった。 呆気に取られてる私に気づいた青葉くんが 「意外でしょ?芽実って虫も殺せなさそうな顔してるのにグロ系とかホラー系の映画、大好きでさ。一度語り始めたら暫くは止まらないんだよね」 へらり、と笑いながら教えくれた。 何だか、嫌な予感に身体が震えたのは気のせいじゃないはず。 青葉くんの言ってた通り芽実ちゃんのマシンガントークは止まらない。止まらない。もう一生分喋ってるんじゃないかってくらいだ。 その間、適当ながらも相槌を打って聞き続ける青葉くんは本当に凄い…。 私は耐えれなくて途中リタイアしたのに。
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