きゅう

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青葉くんはヘラヘラ笑って女の子達と話しているから放っておいていいとして、問題は…。迷惑そうに眉を顰めて「チッ」舌打ちする由良先輩。 遠目からでも分かるくらい負のオーラを纏ってる。あれ、すごーく怒ってるよなぁ…。はー…仕方ない。不機嫌モードの由良先輩を助けるために重い腰を上げた瞬間 「君たち可愛いねー!良かったらお兄さん達と遊ばない?」 チャラついた集団に声を掛けられてしまった。 うわー…凄い、ナンパの定型文って感じ。本当にこういうナンパの仕方してくる人って存在するんだ。 相手にするのも面倒くさくて、はぁっと溜息を吐くと「遊びません。あと、私達彼氏いるんで他所当たってください」しっしっと手を払って、怯えた様子の芽実ちゃんを連れてこの場を離れようとする。 だけど、相手は数だけは無駄に多くて、集団で囲まれ行く手を阻まれてしまった。 「邪魔なんですけど。」 「えー、いいじゃん。彼氏なんかより俺たちと遊ぶ方が何倍も楽しいよー??」 全く話にならない。 この人達に付いてる耳は飾りかなんかなの?? 内心、男達に対して悪態をついていると 「てかさー。君、ちょー俺のタイプなんだけど」 「ひっ、」 いつの間にか男の一人が芽実ちゃんの腕を掴んでいて、小さな悲鳴が上がる。 「───は?お前なに汚い手で芽実に触れてんの?」 途端に、低い声が聞こえたと思えば、芽実ちゃんの腕を掴んでいた男が視界から消えていて、気が付けば足元に転がっていた。
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