さん

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「……」 「……」 重い静寂が私達を包み込む。 ……き、気まずい。 由良先輩は元々、あまり口数が多い方ではない。だからいつもは私が一方的に話しかけることが多いのだが、今日に限って話しかけるタイミングを完全に見失ってしまった。 どうしよう、と横目で盗み見ようとすると、こちらに視線を寄越す由良先輩と目が合った。 「っ、」 びっくりして肩が飛び跳ねる。由良先輩は私のそんな様子を気にすることなく、相変わらず何を考えているのか分からないビー玉のような無機質な瞳でじっと見つめていた。 そして、ゆっくりと形の良い唇を動かす。 「今日は弁当ないの?」 「へ」 予想もしていなかった言葉に思わず、気の抜けた声が漏れ出た。
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