由良先輩のペット【本編完結】

さん

由良先輩と付き合って初めて知ったこと、それは他人に対して興味がないのと同じくらいに自分に対しても興味がないということだった。

特にそれが顕著に現れるのが食に対して、だ。

平気で昼ご飯を抜くし、食べたとしてもinゼリーを一つ。とても育ち盛りの男子高校生の食事だとは思えなかった。同じ男子高校生の凛太郎なんて弁当を二つも平らげてしまうくらい食欲旺盛なのに。

聞けば特に少食というわけでもないらしく、ただ単に「面倒」なのだと。因みに朝ご飯と晩ご飯は用意されているから一応食べているらしい。それを聞いて安心したけど、用意されないと食べないのかこの人は。

それなら、と私は毎日、由良先輩にお弁当を作ることにした。最初は面倒がっていたけど、私の作った弁当をこの中庭で一緒に食べること。

それはいつの間にか由良先輩の日課になった。