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毎日お弁当を作って由良先輩に食べてもらうこと、それは私のエゴだった。由良先輩も私が執拗いから渋々食べているのだと思っていた。
ないならないで、何も言わないのだと。
だから、由良先輩も少しは私の作るお弁当を楽しみにしてくれていたのかもしれないと思えて、嬉しかった。
「す、みません。今日は、寝坊しちゃって…作れなくて」
嘘。本当は、今日だって早起きして、ちゃんと作ってた。由良先輩、今日のお弁当も美味しく作れたんです。
由良先輩に食べてほしかったな。
でも、、
『そんな不味そうな弁当、由良先輩に食べさせようとしてんの?』
『由良先輩、可哀想』
『あたし達が処分してあげなきゃ』
突き飛ばされたせいで、地面に散らばった弁当の残骸と、汚れた制服、そして気味の悪い笑い声が頭の中にフラッシュバックした。
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