由良先輩のペット【本編完結】

さん

「凛太郎なんて、あんたに対する嫌がらせにかなり気を揉んで体調崩しちゃったんだから。ちゃんと反省して貰えないと困るわ」

「は、はい。ちゃんと反省しております…」

私への嫌がらせの件で、彩ちゃんと凛太郎には沢山心配させたし迷惑もかけた。私が一人にならないようになるべく傍にいてくれたし、守ってもくれていた。本当に、この二人には感謝してもしきれない。

特に凛太郎は何だかんだ言って私のことを相当気にかけてくれたようで、私への嫌がらせがなくなったことに安心したのか昨日から熱を出して学校を休んでいる。

「凛太郎には、後でお礼しなくちゃな〜。もちろん、彩ちゃんにも」

「あら、それならお言葉に甘えて…。何を奢って貰おうかしら」

「た、高いのはやめてよ…！？」

「ふふ、冗談よ」

慌てて財布の中のお金を確認する私に、彩ちゃんはくすり、と美しく笑う。

そんな彩ちゃんに、、

「あ、あの、西河さん。国語の齋藤先生が西河さんのこと呼んでるんだけど、」

突然、一人の女子生徒が少し遠慮がちに声を掛けた。