いち

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さっき見せたのとは違う、無邪気でどこか子供っぽい笑顔。その笑顔を見た瞬間、ズキューンと胸を矢で射抜かれた。 か、可愛い……! 由良先輩、その笑顔は反則です…っ!! ───……カシャ。 スマホからシャッター音が鳴り響く。 ついつい、出来心だったです。身体が勝手に動いてしまったんです。だ、だって、だって、あんなレアな由良先輩の姿、記録に残しておかないと世界の損失じゃない???? 「……今、撮った?」 笑顔だった由良先輩の顔から、すーっと感情が消え失せた。心無しか周りの空気がマイナス5度くらい下がった気がする。 お、怒ってますよねー…。そうですよねー…。勝手に撮ったんだから。 「スマホ。」 「……え?」 「スマホ。」 無表情の由良先輩が早く渡せと言わんばかりに手をこちらに差し出し、くいっくいっと指を動かす。 えー、、せっかくの激レア写真、消されるの嫌だなーっと渡すのを渋っていると由良先輩の片眉がピクリっと僅かに上がるのが見えた。
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