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「あ、え、えーっと、」 す、翠くん…。 もしかして、今の話聞いてた…? だ、だとしたら、めっちゃ嫌な気持ちにさせちゃったかも。 だってさ、自分のいないところで別に好きでもない女に勝手に振られた挙句、こういう子と恋愛してほし〜なんて考え押し付けられるなんて、普通に嫌だよね…。 あー、もう、本当に翠くんに嫌われちゃうかもしれないじゃん。せっかく、嫌われてないって分かったばかりななのに。 不意に、闇夜のような黒い前髪から覗く綺麗な並行二重がぎろっと釣り上がるのが見えて「翠くん、ごめ、」と慌てて謝ろうとするけど 「この人に余計なこと吹きかけんなよ、馬鹿姉。」 翠くんの厳しい視線が向けられたのは、あたしではなく碧心の方だった。なんか、あたしに対して怒ってるわけではなさそうで碧心には悪いけど安心してほっと胸を撫で下ろす。
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