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『私、この後ちょっと野暮用があって、そろそろ行かなきゃ。羽依、また19時にうちに集合ね』
碧心と別れたのが、17時00分。
約束の時間まで少し余裕があるし、、っと、一旦帰宅して、掃除、洗濯、諸々済ませて、時計を見ると現在の時刻は18時45分。
「あ。そろそろ、出なきゃ」
急いで部屋を出てドアに鍵をかけたところでタイミングよく『ピロン♪』とメッセージアプリの通知を知らせる電子音が鳴り響く。スマホを確認すると、案の定、送り主は碧心だった。
《碧心、ほろよい飲みたいなー》
《あとー、お菓子も食べたいかもー》
《羽依、買ってきて♡》
《おねがいっ♡♡》
送られてきたメッセージがきゅるーんっとした碧心の声で脳内再生される。
もー、仕方ないなぁ。
内心ため息を吐きつつも、碧心に激甘なあたしはそれに《御意》と短く返事してスマホをポケットにしまった。
そして、碧心に頼まれたものを買いに、近くのコンビニに立ち寄ると…。
「うわ」
「す、す、翠くん、!」
まだ心の準備が全然できてないに、運悪く翠くんと遭遇してしまった。
てか「うわ」って何よ。「うわ」って。しかもめちゃくちゃ嫌そうな顔してるし。
羽依お姉ちゃん、傷ついちゃうんですけど?
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