『おかえり』

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『おかえり』

 初めて二人から返ってきた返事に思わず手が止まり、俺の背筋は凍り付いた。    もしかしたら…返事をされなかった方が良かったのかもしれない。  けれど、もう遅いのだ。  彼女たちに認識されて『おかえり』と言われた俺は…。 「この後俺は、どうなってしまうんだ…?」  死ぬのか? それともこの『家族』と家族を続けたまま生きていくのか?  今まで俺は、誰と、生活していたんだ?  俺は取り憑かれたのか? 何故俺なんだ? もう助からないのか?  その全ての答えを知ることも出来ず俺は心底後悔しながら涙目にそう呟くと、『妻』が俺の耳元に口を寄せてこう呟いた。 『これからも私たち家族はずぅーっと、一緒よ』  俺は僅かに振り返り『妻』を見る。  顔はよく見えないのに、その赤い唇が弧を描き、歯を剥き出しにして笑っている口元だけが見えたのだった。  ——fin——  最後までお読み頂きありがとうございました!  『おかえり』と言われた彼がまだ生存しているのかどうか、それは謎に包まれたままなのですが、確かに言えることはこれからも『家族三人』はずっと一緒だということです。  リラ
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