最低な恋心。

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大学二年生の後期の最初の必修授業。 二か月の長い長い楽しい夏季休暇を挟んでの授業は久しぶりに見る顔ばかり。 そして皆休み明けの辛い顔をしている。その気持ち痛いほどわかる。 やっと長い90分の授業が終わり、俺は身体を伸ばして立ち上がって食堂に向かおうと荷物をカバンに詰めて出口に向かった。 「よぉ、御影(みかげ)元気だったか?」 俺は同じ学部で学籍番号が俺の前の女に声を掛けた。 「…光井。久しぶり…」 本当、御影(コイツ)は名前の通り、影みたいな暗い女だった。 口数は少ないし。髪の毛は黒髪のボブ。服装は上はいつもダボダボの服を着ていて、化粧っていうのはほとんどしてないぽいし。足元はスニーカーばかりだし。 女らしさが無いんだよなぁ。 でも、俺は御影(コイツ)と居るのが心地よかった。 「飯食いに行くけど、お前どうする?」 「…食堂いく」 ほとんど喋らず歩く御影は背も小さく150センチ程。185センチの俺からはかなり小さく、普通に歩いてたら視界に入らない。 顔を見ないで、チョロチョロと会話をする。 「御影、なんかより一層暗くないか?」 「……気のせい」 俺は御影と並んで食堂の飯を食っていた。なんだか以前よりも更に暗い気がする。でも俺はそれを気にせず、俺の充実した夏休みの出来事を話していた。 「…光井はいつも元気だね」 「お前がいつも元気なさすぎるんだよ!」 そう言って俺は御影の背中をパン!と叩けば咳き込まれた。 俺も御影も飯を食べるのが早い。10分もかからず飯が終わって食堂を出ようかと思えば、見知った顔に会った。 休み明けだから会うのは久しぶりだ。 本来なら声を掛けるのだが、そいつは俺達を避けてさーっと隣にいた女と立ち去ってしまった。 「御影、お前の彼氏。お前の親友と一緒に居るけど?」 俺が立ち去った知り合い=御影の彼氏を指さしながら御影に言えば、御影はスタスタと食堂を去ろうと出口をくぐった。
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