6.光を拒む者〜無骸〜

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それでも、きっとこの先もずっと、"生きてて良かった"なんて思う事は無いんだろう。 それでも構わない。 ただ、このままずっと、この世界の王で在れるのなら。 そう、王だ。 絶対的存在。 もう二度と誰も、この俺に刃を向ける事は出来ない。 ーー 現在 反逆者のクソガキの手助けをした奴を見付けられないまま、時間だけが無駄に過ぎて行った。 ザーザーザー… 激しい音を立てて降り続ける雨。 冷たい雨に体が冷えていく。 蓮生(れお)とかいう、反逆者のクソガキが突如消えてから、約1週間が経った夜、俺は一人、屋敷の庭にいた。 あの子供が消えてからというもの、何人もの兵隊に捜させたが、手掛かりひとつ見つけられやしなくて、結局諦めた。 あの、涼とかいう男が、蓮生の消えた理由を知ってるかと思い、拷問して吐かせようとしたが、無駄だった。 奴は、蓮生と同じ牢に居たから、何も知らないはずがなかった。
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