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1.絶対的存在〜無骸〜
光を知らぬ世界。
自由を許さぬ世界。
年中を通し、冷たい風と汚れた空気が漂う。
太陽が昇らぬこの世界では、血のような真っ赤な月が顔を覗かせていた。
その月は、この世界の支配者、"彼"の瞳だと言う。
真っ赤な月を通し、この世界、国を監視しているのだと。
その国の名を、朱殷国といった。
朱殷は、"彼"の手によって支配された、完全なる独裁国家である。
"彼"が全てであり、絶対だった。
ーー名も無き者よりーー
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