この恋、延長可能ですか?

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そしてまたパソコンと仲良くする。お腹が鳴る。早く、終わらせること、を重視していたから今日一日食事を疎かにしている。それなのに終わらないのは単に効率の悪さの問題だろう。 早く終わらせよう。早く終わらせて、それから。 「(……それから……)」 ピタリと手を止めた。そして、ふるふると首を振ってもう一度頬を叩いて気合いで空腹を止めて自分の仕事を進める。 ふと、背後でもう一度足音が聞こえた。 また小林課長が忘れ物でもしたのかな。おっちょこちょいなんだからー…… なんて呑気に思っていたら、ピタリと止まった足音は、私の隣の椅子を引いてはどかりと座った。 違和感がひとつ。 「ねえ、今日は俺の日じゃなかった?」 不機嫌そうな低音ボイスが聞こえたその時、その足音が小林課長では無いことに気がついた。 ぎこちなく隣を見遣る。そこには私には縁もゆかりも無く、ましてや進んで近づこうともしない綺麗すぎる男性がいた。 営業部の花。弊社の王子的存在の彼は私をまじまじと見ているので、その視線に焼かれそうになる。 頬杖を付く彼は無表情だ。無表情だと綺麗な顔が際立つ。もう少し崩して欲しい。 「……そ、そうでしたっけ、anemoneに確認……」 だから、空気を和ませようと無理して笑う。 「anemone関係なくて、個人的な約束」 懺悔します。約束というより〝一応ね〟と予防線は張っていたのだけど、私は彼との約束をきちんと覚えていました。それなのにこのザマだ。
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