私にも恋愛は出来ますか?

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私にも恋愛は出来ますか?

「同棲って思ってたよりしんどい」 高校からの友人と月一で集まるこの会は、結成当時から続く〝青春部〟と呼んでいる。美味しいものを食べて、美味しいお酒を飲んで、取るに足らない出来事を共有し合う友人たちとの集まりは私にとって些細な楽しみのひとつだった。 しかし今夜は共感どころか射程外の会話から始まりを見せた。 「あー、その時期きちゃったかー」 朱希(あき)の言葉に共感するのは三人のうち唯一の既婚者である奈穂(なお)だ。 朱希は先月から彼氏と同棲中で、始める前から楽しそうな話をたくさん聞かせてくれていた。だから、朱希は楽しくしているのだと、私はずっと信じていた。 「家事のタイミングが全然違うのって毎日続くと案外しんどいんだね」 「ああ、洗濯のタイミングとかね」 「それな!?うちの彼氏、溜め込んで洗濯したいタイプで私はせめて2日に一度は洗濯したいタイプなのよ」 「お風呂のタオルを交換するタイミングとかね」 「そう!私は毎回交換したいの!」 「んんん!分かるなあ!」 隣同士、会話が弾む二人と私はテーブルで仕切られているらしく、全く共感できない。 「日和は?」 二人の会話のタイミングが私に移動する。 正直私は聞くだけでよかった。これは本音。 「私もバスタオルは毎日交換したいかな」 「だよね。いくらお風呂上がりとは言え、タオルは毎日交換したいよね!……じゃなくて、憧れの小林課長とはどうなの?」 二人、二組のお目目が、ぎろりと私に向けられる。
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