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「この度は当サービスをご利用頂きありがとうございます。" anemone "のミツです」
台本通りのセリフを並べられて、どかん!と私の頭上に雷が落ちた。もちろん、気の所為であって、本当にそうなら死んでいる。
ミツさん、って、雨宮くんだったの……!?
その事実を目の当たりにし、ふら〜……っと、腰から力が抜けそうになった。
雨宮くんは、さながら王子さまのような微笑みを浮かべている。
引力のある三白眼が、逸らしたかった視線を引き戻す。
「余所見しちゃ駄目だよ」
そうして私は、やっと気付く。
「今夜、君は俺の彼女ね」
にげるなど、最初から存在しなかったのだ。
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