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そして腰を動かしはじめた椿くんに抗う術なんてある筈もなく。
私のことなんてお構い無しで、椿くんはただ己の欲をぶつけるように律動を繰り返す。
涙で霞んだ視界には、椿くんの綺麗な顔だけが映る。久しぶりに見るその顔には酷い隈が出来ており、更に椿くんの堅気じゃない雰囲気を醸し出している。
陰惨なオーラを纏う椿くんが怖くて視線を横にずらせば、巳波くんが気まずそうにスマホを弄っているのが見え、更にこの状況が嫌で嫌で堪らなくなった。
「っ、うぅっ、もう、やめて…」
肉体がぶつかる音と、淫らな水音。
そして私の小さな嬌声だけが車内に響いている。
羞恥でぼろぼろと涙を流していると、グイッと顎を掴まれ、強引に顔を椿くんの方へ向けさせられた。
「余所見してんじゃねぇ」
「っ、ひ、っん、ああっ!」
2人に聞かれたくないから声を出さないように必死に我慢していたのに、椿くんが角度をつけ奥に当たるように突いてくるものだから、抑えていた声が飛び出てしまう。
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