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そう言えば、一応は合コンだったな。個人的には食費を浮かせにきただけだから、詐欺をしているような気分だな。
わたしの返した言葉を聞くとミヤシロさんは楽しそうに笑いつつ軽く頭をなでてきた。
ミオンさんに後ろから抱きしめられていて動けないのもあるが、タカセくんと違って。
「しっ。しっ。カナデちゃんに触らないの、いやがっているでしょう」
わたしの頭の上においているミヤシロさんの右手をミオンさんが弾いている。
「本人は、いやがってなさそうだけど?」
「あたしに抱きしめられて夢見心地だから、反応してないの。そうじゃなかったら右手を食べられているよ」
わたしを守ろうとしているのに悪口を言っているような、気のせいだろうか?
「えと、頭をなでられたのはそんなにいやじゃなかったですよ」
わたしのせいでミオンさんとミヤシロさんがケンカをしてしまうのも面白くないしな。
「おれに頭をなでられて、うれしかったってことなのか?」
「ミオンさんの知り合いなので。変なことはしてこないだろう、と安心していたって感じですかね」
「つまり、あたしが大好きってことだね」
まあ、ミオンさんが好きなことは確かなので、つっこむのはやめておこう。
「それはさておき。可愛い顔をしているだからさ、もっと笑えば良いのに」
「努力してみます」
「オツノ的には害がないと思ってくれているんだな」
と、ミヤシロさんが笑っている。
表情にでないだけで、先ほどの言葉に全く動揺してないわけでもないのだけど。釈明をしても大して意味はなさそうなので軽くうなづいて。
「ん?」
なにを思ったのかは分からないがミヤシロさんが頬を触ろうとしたので後ろに下がってしまった。
「おっと、どうかしたの? カナデちゃん」
「な、なんでもないですよ」
珍しく、わたしの声が震えているからか、ミオンさんが顔をのぞきこんできている。
「なにか、しようとしたの?」
「オツノの笑っている顔を見せてもらおうと思って、頬を触らせてもらおうかと」
「それなら、そう言ってくれれば。笑顔くらいならつくれますよ」
わたしがそう言うとミオンさんとミヤシロさんが同時に目を丸くしていた。
「だってさ」
ミオンさんがうれしそうにしながら、ミヤシロさんの顔を見上げている。
「そうか。悪かったな、オツノ」
「分かってくれたなら、もう良いです」
「ああ。オツノが耳を触られることがいやなのは、よく分かったよ」
一瞬、ミヤシロさんがなにを言っているのか把握するのに少し時間がかかった。
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