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予想通りと言うのか、宣言していたことが現実になっただけなのか、わたしはツチウラくんの部屋にお邪魔をしていた。
カシハラくんも、もう少しで一位だったのにな。
「なにをもってきたんだ?」
罰ゲームのつもりなのか、昨日と同じようにクローゼットにあった巫女装束に着替えてくると。ソファーに座っているツチウラくんが、目の前のテーブルの上においてある本に視線を向けていた。
「レコードの日記です」
ツチウラくんも、レコードの日記のことを知っていたようで目を見開いている。
「もしかして、オリジナルか?」
「オリジナルですね」
ぐうぜん見つけただけでわたしが誇らしい顔をするのは筋が違うような気がするけど。
「こんなものを見つけたら、さすがのオツノさんでも自慢したくなるよな」
「心を読まないでくれませんか」
でも、本当のことだろう。と言いたそうな顔つきをしたので、ツチウラくんの向かいにあるソファーに座った。
「怒ったのか?」
「なんのことです。わたしは普段から会話をする時はできるだけ向かい合わせになるようにしていますが」
「ま、そこに座ってくれるほうが可愛らしい姿を見やすいからな」
「口も上手いんですね」
わたしがそう言うと。本音だったんだけどな、ツチウラくんが唇をとがらせている。
「本音かどうかはおいといて、ツチウラくんもレコードの日記のことを知ってくれていたんですね」
「まさか、知らない人間がいるのか?」
「ええ。残念ながら」
わたしが首を横に振ると、ツチウラくんも小さくため息をはきだしていた。
が、テーブルの上においてあるレコードの日記を見ると、子どものようにツチウラくんは目を輝かせていく。
「触っても良いか?」
ツチウラくんが人差し指でレコードの日記を指差している。
もちろん。そう言い、わたしがうなずくとツチウラくんはレコードの日記を手に取り、ゆっくりとページをめくりはじめた。
「コピーは読んだことあるが。オリジナルを見られるとは思わなかったな」
また失敗した福笑いみたいに、にやついた顔つきになっているので、ついつい笑いそうになってしまう。
「ツチウラくんも、殺人鬼のことについては詳しいんですか?」
「ん、ああ。色々とあってな。それよりも、アカイさんがいなくなったことを知っているか?」
それに関しては口にもしたくないようで。ツチウラくんが、かなり強引にアカイさんがいなくなったことに話題を変えてきた。
ご主人さまが聞かれたくないのであれば、召し使いはだまっておくべきだよね。
「確かカミシロさんの話だとケガをしたとかで、船のどこかの医務室にいるとか」
それほど面識はないけど、一応パーティのメンバーとして会いにいきたい気もしたり。
「その話は、多分うそだろうな」
「そうなんですか」
「今のオツノさんみたいに女性はうそをたしなむらしいからな」
「なんのことですか? それよりも、ご主人さまは真紅って殺人鬼のことを知っていますか?」
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