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「意外?」
「いえ。今日はついているな、と思って」
朝、昼と豪勢なご飯を食べさせてもらえたし、夜もそうさせてもらおう。ミオンさんのところで夕食をいただくことに勝手に決めていた。
そもそも、こちらから連絡をする前にミオンさんのほうから電話かLINNがくるだろうしな。
カシハラくんと向かい合わせになるように椅子に座ってから、わたしは普段と同じように合掌をした。
「ごちそうさまでした」
「オツノさんはちゃんと合掌するんだね」
茶化しか、模倣かは分からないが空っぽになっている皿の前でカシハラくんも手を合わせている。
食後のデザートと言うことでカシハラくんが食堂の近くにある自動販売機で、ソフトクリームを買ってくれた。
「この、とぐろを巻かせているところを見るのが好きなんだ」
自動販売機の一部は透明な板になってて、そこからソフトクリームの完成を見るのが、カシハラくんは好きらしい。
できあがったソフトクリームを受け取り、近くのソファーに座る。隣にカシハラくんがいるからか食べづらい。
ソフトクリームだから、なめづらいのほうが正しいかもしれないな。マナー的には悪そうだが。
「カシハラくんは食べないんですか?」
「見るのは好きだけど、食べるのは苦手で」
「変わってますね」
そう口にしてから失礼だったな。と思ったが、カシハラくんは特に気にしてないようで笑みを浮かべていた。
互いの近況やらなんやら、雑談をしていたからか今日、同じ講義を受ける予定の生物学のレポートの話題になっていたり。
わたしの気のせいだった可能性もあるが、魚の目玉と言うワードにカシハラくんが反応していたような。ま、誰にでもきらいなものが一つや二つはあるか。
「そうだ。オツノさんってゴールデンウィークに予定とかある?」
生物学のレポートの話が一段落すると、カシハラくんがそう聞いてきた。
「特にないですけど」
「恋人は?」
ゴールデンウィークのヒマかどうかに恋人がいる、いないの話は関係があるのかな?
「いないですよ」
「そっか。良かった」
そんなことを言いながらカシハラくんが首を縦に振っている。もっているリュックから白い封筒を取りだし、わたしに見せている。
おそらく招待状の類いなんだと思うが、なんとなくこの後の展開を想像してしまったせいか、いやな予感がしていた。
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