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「それとも、意図的だったのか?」
質問の意味が分からなかったので。
「昔話は誰かに語るよりも、きれいなままで保存しておくほうが良いらしいですよ」
なにかに対抗をするように、わたしも訳の分からないことをツチウラくんに伝えたが。
「それもそうだな。悪かったよ」
と、納得されてしまった。失敗した福笑いみたいな顔で謝る必要もなかったと思うし。
夕食をおえて、椅子にもたれかかっていると辺りが暗くなった。スポットライトを浴びているカミシロさんの説明によると、今日のゲームは人狼らしい。
「ミオンさん。人狼って、どんなゲームなんですか?」
「マヤ嬢が説明してくれると思うけど。簡単に言えば、犯人探しゲームだね」
ルール設定に色々なアレンジがあるみたいだが基本的にはなにかしらの犯人を見つけるゲームのようだ。
「犯人ってことは設定的に誰かを殺していたりするんですか?」
「ゲーム中に他のプレイヤーを殺していく、って言うほうが正しいかな。カナデちゃんの好きなミステリー小説で説明するならクローズドサークルみたいなゲームだね」
あれって絶海の孤島や連絡の取れない山奥で殺人が起こったりするんだよね? まるで今のこの船みたいにさ。とミオンさんが確認している。
「そうですね。でも、殺人が起こるかどうかは作品によるかと」
後半のほうもつっこむべきか迷ったけど、だまっておくことにした。
「もしかして、カナデちゃんも気づいていたのかな?」
「なんのことですか」
「んーん。気づいてないのなら、そのほうが良いんだよ」
ミオンさんの言う通りなら、わたしは。
カミシロさんが、人狼をするために一卓のテーブルに集まるように促してきている。
「それでは、ルールのほうを」
メンバー全員が一卓のテーブルに集まったのを確認すると、カミシロさんが人狼ゲームのルールを。
先ほど、ミオンさんが教えてくれたように人狼ゲームは犯人探しが目的。今回の犯人は二人。人間の苦痛に歪んでいる顔を見るのが好きなタイプ。
そんな特殊な悪癖を満たすために、犯人達はとある館に人間を呼び寄せた。と言う設定らしい。
その細かい設定やらはいるんだろうか? と不思議そうにしていたからか。
「この人狼ゲームの臨場感をだすため、今のような小話をさせてもらいました」
と、カミシロさんが教えてくれていた。
「この人狼ゲームには昼と夜、二つの時間帯があります。先ほども言ったように犯人達は人間の苦痛に歪んでいる顔を見るのが愉悦。なので、それを満たすのは夜だけです」
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