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もしかしたら空に浮かんでいる月を見ないと人を殺せないのかもしれませんね。そう、カミシロさんが唇を動かしている。
「昼は、なにもしないのか?」
「いえ。ここにいる八人以外の人間がなん人か、すでに殺されているので。昼は皆で相談して犯人探しをします」
ミヤシロさんの質問にカミシロさんがそのような感じで答えていた。
「ここまでのことをまとめますと。昼は犯人だと思われる人を皆で相談、多数決で一人。夜は犯人達にもう一人、殺されるってところですかね」
つまり犯人達を見つけるか。その二人以外が全滅することでゲームが終了するのか。
人狼ゲームによっては役職みたいなものがあるらしいが、ルールが複雑になってしまうので今回はなしだとか。
「人狼ゲームの役職だとカナデちゃんは占い師が似合いそうだよね」
「なにか能力でもあるんですか?」
「うん。夜の間に他のプレイヤーを一人だけ犯人かどうかを知ることができるんだよ」
「わたしは、そんなに鋭くないですよ」
「本当かな?」
ミオンさんと明るく楽しそうな会話をしてしまったせいか、カミシロさんがせき払いをしている。
「今、ウネメさんが説明していたように人狼ゲームによっては、占い師や警備員のような役職があるのですが。今回は、一般人と犯人だけのシンプルなものとなります」
実際のゲームのながれは、次のような感じになりますかね。そう言いつつカミシロさんが紳士服の男性から受け取っているカードをシャッフルしていた。
「まず、このカードを使って一般人か犯人かを決めます。うそをついたりしないように、近くにいるウェイター、ウェイトレスに必ず見せること」
カミシロさんが柏手を打つと、彼女以外のメンバーそれぞれにウェイターさんか、ウェイトレスさんが近寄ってきている。
わたしとミオンさんのところにはウェイトレスさんがきているので、同性になるように配慮しているんだろう。
「カードで一般人か犯人かを決めたら、次は相談。人狼ゲームのルールで言うならば昼のターンですね」
そんなに長いこと相談をするのもあれなのですが。この人狼ゲームにおける肝なので、五分ほどが良いかしらね?
ほとんど決定していることなんだろうに。カミシロさんが確認するように紳士服の男性に声をかけている。
「それが妥当だと、わたしも思います」
「そう。そして、その五分の相談やら雑談の後に多数決を採り。これで一番の票を集めた人は退場となります」
紳士服の男性に、確認みたいなことをする必要はあったんだろうか? そんなどうでも良さそうなことを考えていると。
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