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「その退場って言うのはストーリー的に考えれば。多数決で犯人を殺しているってことで良いのかな? カミシロさん」
「はい。カシハラさんの言っているような、解釈でよろしいと思いますね。犯人達と同じことをしているじゃないか、と揚げ足を取られそうですがゲームの臨場感を高めるためのものだと認識してくれれば」
ゲームだとは言え、死ぬのはそれほど心地好いものではないと思うので、真剣にプレイしてくれるかと。
そんなことを言っているカミシロさんが、横目でわたしのほうを見ている気がする。
今日までの夕食後のゲームが全て最下位になっているから真面目にやってないとでも。
いや。逆か、わたしのことを知っているんだからこそ。
「しかし、どれだけ真剣にプレイしてくれていたとしても犯人達の標的になってしまった場合はどうしようもありませんけどね」
そうそう。夜のターンになる前に皆さまには一旦アイマスクとヘッドホンをつけさせてもらい、その後で犯人達だけ外します。思いだしたようにカミシロさんが言っている。
犯人達だけが動ける夜のターンがおわったら、また昼の相談と言うながれになります。一人、退場をしておりますがね。
さて、これで一通りの説明はできたと思いますが質問などあれば遠慮なくどうぞ。と、カミシロさんが笑みを浮かべている。
「昼のターンの多数決で犯人を殺せた場合はそのことを教えてくれるのか?」
学校の先生に質問するみたいに手を上げているタカセくん。姿形が不良っぽいせいか、なんだか違和感があった。
「いいえ。そのゲームがおわるまで誰が犯人かは分かりません。途中で、犯人が二人とも殺された場合はその時点までとなりますが」
「つまり、犯人役が二人とも殺されない限りは一般人は正体が分からないってことか」
「その通りです。分かりやすくまとめていただき、ありがとうございます」
タカセくんに軽く頭を下げているカミシロさんに。
「夜のターンで犯人達があえて殺さないって選択はできるのか?」
ツチウラくんがそんな質問をしている。
「それはできますね。具体的なことは言えませんが、そのような心理戦もこの人狼ゲームの面白いところですので」
「そうか。まあ、あえて殺さない必要もないんだよな。犯人が二人とも殺されない限りはゲームは続くんだから」
「状況によるかと。もしかしたらツチウラさんの言うように、あえて殺さない選択をする時もあるかもしれませんからね」
わたしも質問したいことがあったが今さらなのでやめておいた。
それから順位のつけかたや勝利条件の確認をしてから人狼ゲームをはじめることに。
人狼ゲームは思っていたよりも楽しかったが。これまでと同じように、わたしは最下位だった。
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