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「とりあえず足、下ろそうか」
「そそそそそうだ下ろせ! 中見えてんだよ!!」
ルティスの言葉に便乗してきたアルヴァーの鼻先を、エルザは今度こそ靴底で蹴ってやった。
制服とともに支給されるブーツの底は銀製である。軽く当たっただけでもそれなりに痛い。
その証拠に蹴られた本人は、顔面を押さえてその場にうずくまっている。
「ちゃんと下はいてるし。バーカ」
涙目で床からにらんでくるアルヴァーに、エルザは小さく悪態をついてやった。
さっきからそれでこの男は顔を赤くしていたわけだ。理由がわかったとたん、なんだかますますいらだちが増してきた気がする。
「ったく……、あたしはもう帰る」
「あ、ちょっと待ってエルザ」
代わり映えしないアルヴァーの小言にいちいち付き合ってやるのもばかばかしくなり、エルザはするりときびすを返した。
今日の勤務時間は終わったのだから、さっさと帰るにかぎる。
しかし、どうやら我らが支部隊長はそれを許してくれないらしい。
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