52人が本棚に入れています
本棚に追加
その意味を理解する前に私はボフン、という効果音と共に途端に視界がぐるりと変わって、気付けば大量の布に包まれていた。息苦しくてなんとか布を押しのけて顔を出すと、視点が可笑しい。床に座り込んだにしては視点が……?
「(魔女様?)なう」
「まあ、やっぱり可愛い」
「にゃ!?(声が)」
「どう? 私が怖い?」
「なう?(怖い? 魔女様が?)」
魔女様の大きな手に包まれて抱き上げられ、頬ずりしてくる。その距離感に硬直。え、ええ!?
状況が理解出ず、周囲を見回すと姿見を見ることができた。
見目麗しい魔女様と灰色の子猫の姿が映っている。え、この子猫……私!? モフモフなアメリカンショートヘアに近いかも? 背中に蝙蝠の羽根が申し訳ない程度にあるのがなんとも可愛らしい。
「ふふっ。従魔契約は名の通り、契約期間は獣の姿になることができるのよ。うん、私への拒絶もないし、怖がってもいないのね。それにしてもなんて可愛いのかしら?」
「にゃうなう(獣の姿は皆違うのです?)」
「そうね、その人間の魂の形によって変わってくるのかも」
「にゃう(なるほど?)」
最初のコメントを投稿しよう!